フロリダにおける1月26日の共和党4候補の討論会では、聴衆から「あなたたちの宗教的信条は大統領としての意思決定にどう影響するか」と質問が出た。1人の答えが聴衆の喝采を浴びた。

それはサントラム候補。答えの要旨は、「合衆国憲法は何のためにあるかと言えば、神が与えた権利を守るためです(protect God-given rights)。この点こそ、アメリカと世界中の他の国との違いです。神が与えた権利に基づいて国民の権利を決めている国はアメリカだけです」

「信仰(faith)とそういうことは関係ないと言うかもしれませんが、関係は大ありです(faith has everything to do with it.)」――ここで拍手喝采が上がり、10秒間鳴り止まなかった。

「もし大統領が、権利とは国が与えるものだと考えるなら、国が取り上げることもできてしまいます。私は信仰の価値も理性の価値も信じていますが、アメリカ国民の権利がどこから来ているかを理解しています」 この動画はYouTubeに投稿されている。

http://www.youtube.com/watch?v=k2vr7aqM2GQ

ギングリッチ候補の答えの要旨は、「大統領なら誰でも重大な意思決定を迫られますから、神に頼るべきです(they should go to God)」「私が立候補している理由の一つは、宗教に関する戦争が起きているからです」

ポール候補は、「人との接し方には自分の宗教心が表れると思いますが、議員や大統領としては職務上の誓いに従います」と答えた。ロムニー候補は、「意思決定の際には神の導き(the guidance of providence)も求めると思います」とした。

この質問に限っては、サントラム氏の答えが最もメディアの反響を呼んだが、31日に行われた同州の予備選はロムニー氏が大勝(46%)。2位ギングリッチ氏(32%)、3位サントラム氏(13%)、4位ポール氏(7%。いずれもCNN集計、開票率95%)。

政治と「信仰」や「神」について真剣な質疑応答が行われる点は、さすがにキリスト教大国アメリカだ。日本の首相は、国民の将来を左右する重大な職務の遂行にあたり、果たして聖なる気持ちを持っているのだろうか。(司)

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2011年7月11日付本欄 米国人6割が「神を信じない大統領候補は不支持」

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=2381