11月の米大統領選挙に向けた共和党の公認争いは、21日にサウスカロライナ州で予備選挙が行われ、ニュート・ギングリッチ元下院議長が2位に10%以上の差をつけて圧勝した。

獲得代理人数を合計で26人とした同氏は、トップを走るミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事に5人差まで肉迫。今回の予備選初勝利に前後して全米世論調査でも追い上げを見せており、選挙戦はロムニー氏対ギングリッチ氏の一騎打ちになりつつある。

投資会社経営を通じて築いた資産の公開を渋っていることでロムニー氏が批判を受ける中、ギングリッチ氏は福音派キリスト教徒や、ティーパーティー支持者、保守派といった「反ロムニー票」をまとめて、勝利をものにした。

資金力や組織力では依然としてロムニー陣営に利があるものの、保守派の支持が集まらないという弱点を同氏が克服できていないことが今回の結果で浮き彫りになった。

当初はロムニー氏勝利とされたアイオワ党員集会は、再集計を経てサントラム氏の勝利となり、共和党公認争いは3回の予備選でいずれも違う候補が勝つ混戦模様。

一方で選挙戦の構図は「ロムニー氏対反ロムニー氏の保守」で一定している。ギングリッチ氏は勝利演説で「ニューヨークやワシントンのエリート」を批判し、アイオワ勝者のサントラム氏は坑夫を祖父に持つ経歴を引き合いに支持を訴える中、保守層のいわゆる「普通の人々」にいかに支持を広げられるかが「エリート」ロムニー氏の課題となっている。

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