「5年後のあなたの生活は」の問いに、「良くなっている」と答えたのは中国71%、韓国48%に対し、日本はわずか7%。日中韓3カ国世論調査で、日本人が際立って悲観的ということが分かった。
3カ国の調査は12日付朝日新聞に詳細が載っている。結果を見て全体的に言えるのは、
- 日本人は中国が嫌い。韓国に対しては好きと嫌いが半々。
- 日本に対しては中国人は好きと嫌いが半々だが、韓国人は日本嫌いが多い。
- 国の将来は中国人も韓国人も良くなるが大半だが、日本人は大半が悪くなると思っている。
つまり、「日本―中国は、日本人のほうが中国を嫌っている。日本―韓国では、韓国人のほうが日本を嫌っている。韓国―中国では、韓国人のほうが中国を嫌っている」という図式で、意外や中国人は日本も韓国も「好き」という人が多いのだ。
さらに注目したい点として、「将来、朝鮮半島が統一されると思うか」との問いに、「統一される」が韓国52%、中国42%に対して日本は25%しかない。「いつごろ統一されると思うか」に「5年以内」と答えたのは中国9%、韓国3%、日本4%といずれも低い。
北朝鮮で3代目の独裁者が立ち、米軍の東アジアシフトが鮮明になったにもかかわらず、南北統一が近いと見る国民は3カ国とも少ない。だが、すでに本webで繰り返してきたように、「2012年は北朝鮮崩壊、南北統一の年」となるだろう。時代が動くときには一気に動く。ベルリンの壁崩壊がそうであったように。
さて、日本人の悲観論の正体は何か。同日の日経新聞にも面白い調査結果が載っている。取材班が10代~60歳以上の各世代100人ずつに「生まれ変わるとしたら日本人になりたいか」と問うと、10代は「ぜひなりたい」が57%、20代は40%、30~50代はいずれも30%台。今後の生活の見通しについても、20代は「良くなっていく」が27%に対し、50代以上は1ケタ台だった。
要するに、「日本の先行きは暗い」と思っているのは中高年であって、若い世代は希望を持っているのだ。
野田首相を含めて中高年に、自戒を込めて言おう。「三丁目の夕日」などの映画を観て「昔は良かったなあ」とため息をついているようでは、すでに心も老人だ。「若さ」とは年齢ではなく「夢」を持っているか否かによって測られるのだ。この国を北欧のような「老人国家」にしてたまるか。夢と希望を持ち続け、世界に冠たる日本をつくりあげ、後世への贈り物としようではないか。(仁)
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