日本で公開予定のない中国映画についてのニュースが、7日付米紙インターナショナル・ヘラルド・トリビューン(IHT)の1面に出ている。監督は北京五輪の開・閉会式をプロデュースしたチャン・イーモウ氏。映画の舞台は南京事件だ。

題は「金陵十三釵」(金陵は南京の古名、釵は、かんざし)。英語の題は「The Flowers of War」。南京事件のさなかでアメリカ人が娼婦たちを日本兵の手から救う話で、主演はバットマンを演じたハリウッド俳優クリスチャン・ベイル、セリフの大半は英語だ。先月16日に中国で公開されると異例のヒットを続け、21日から米国の主要都市でも公開されている。中国から米アカデミー賞への出品作にも決まっている。

IHTは同作について、「南京大虐殺(Nanjing massacre)に関するチャン氏の見解を示している。中国政府によれば、この事件は1937年12月から6週間にわたり日本兵が30万人を殺したもので、その多くは一般市民や戦犯だった」としている。だが南京大虐殺については、当時の南京市の人口が23万人であり30万人も殺せるはずがないことや、直後に同市の人口が増えていることが指摘されており、中国側の言う数字は事実でないとの説が日本国内で有力だ。

だが日本語の中国情報サイトによれば、先月29日、この映画を見た中国の有名歌手がミニブログでこうつぶやいた。「日本人のクソッタレ! 中国人はお前らを永遠に敵と見なす! 釣魚島(尖閣諸島の中国名)に触れようとも思うなよ! 今日からお前らの製品は二度と使わない」

幸福の科学の大川隆法総裁は下記の近著で、南京大虐殺についてこう書いている(要旨)。

「中国は白髪三千丈の国。30万人という数字はかなりのデマが入っていると見たほうがいい。中国が日本にだけ『謝罪しろ』と言い続けるのは、経済援助を引き出すための口実として、日本の罪悪感が利用されている面がある」

この映画が海外で話題になった場合、中国側の言い分が一方的に広まることのないよう、日本として正当な情報発信が必要になるかもしれない。(司)

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