政府は、高所得者の所得税の最高税率を引き上げ、累進課税を強化する方針を固めた。16日付各紙が報じている。
消費税率引き上げに対して「低所得者の負担が大きい」という指摘があるため、高所得者への課税を強化して批判をかわす狙いもあるという。
所得税は現在、最低5%から最高40%まで6段階に分けているが、課税所得1800万円以上の税率40%をさらに引き上げ、高所得者に一層の負担を求めるものだ。
すでに昨年末、相続税の最高税率を50%から55%に引き上げたのに続く、「金持ち狙い撃ち」の税制改悪と言える。
この政権は、次々と増税をしようとしている。相続税を増やし、復興増税を25年の実質恒久増税にし、今度は所得税増税だ。特に金持ちから税金を取り上げ、所得再配分して貧しい人に配ろうという、社会主義施策を盛んに採ろうとしている。
マルクスの思想には「強度の累進課税によって再配分する」という考え方が入っている。菅氏といい野田氏といい、民主党政権もきわめてマルクス思想が強い。しかし、金持ちから税金を巻き上げて貧しい人の多数の票を集めようという発想でいけば、金持ちは国外に逃げ出し、国はどんどん衰退するだけだ。
本欄で何度も「日本は世界一の金持ち国家だ」と書いているが、社会主義者にとってはそれが我慢がならず、「みんなが貧しくて平等な国」にしたいらしい。
「逆張り」政策もいよいよ極まってきた。マスコミもグルになってこの国を社会主義国家にしようとしているが、社会主義国家には言論の自由はない。マスコミもまた自滅への道を歩んでいる。(仁)
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2011年7月号記事 【第2部】こんなにある! "違憲"な制度と法律 <もし憲法9条で国を守れるとしたら>
http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=2042
2011月6月7日付本欄 "憲法違反"の所得税の最高税率上げ