国民新党の亀井静香代表が25日、「オール・ジャパンで、国力をアップする方策を考えなければいけない」として、新党の結成に意欲を示した。

亀井氏は会見で、石原慎太郎・東京都知事、橋下徹・前大阪府知事、大村秀章・愛知県知事らの名前を挙げ、「いろいろな人材がいる。そういう人たちを結集すればいい」と述べ、民主党執行部と距離を置く同党議員にも参加を呼び掛けた。

だが、「『何をするかを問わないと国民はついてこない』と言っている。具体的な目的もなしにやってもしょうがない」(石原氏)、「新党とかは全然考えていない」(橋下氏)など反応はいまひとつだ。

亀井氏が新党構想を発表した背景には、国民新党が成立させたい郵政改革法案の議論がなかなか進まないため、野田政権を揺さぶる意図があると見られる。

亀井氏は震災後直後に、自民党の谷垣禎一総裁が示した「復興税構想」に対して「とんでもない」と一蹴し、「国債の日銀引き受け」も検討すべきと指摘(結局、実現せず)。警察官僚出身だけあって、危機対応能力は秀でている。

だが一方で、郵政民営化やTPP参加に反対する姿勢からも分かるように、「国家社会主義的な発想の人」(みんなの党・渡辺喜美代表)でもある。さらに、今回の新党構想からは亀井氏が描く国家、政策ビジョンがまったく見えてこない。

これからの日本に求められるのは、国内のことだけを考える縮み思考の政治家ではなく、日本の繁栄を世界の繁栄へとつなげ、世界の平和や安定にも責任を背負うような、スケールの大きな政治家だろう。(格)

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2011年3月18日付本欄 亀井氏が復興国債の日銀引き受けを提案、実現すれば「平成の高橋是清」だ。

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2011年3月1日付本欄 郵政2社赤字へ、民営化見直しの影響か

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=1452