イタリアとスペインの国債の利回りが急上昇している。

31日のイタリアの10年もの国債利回りは6%を超え、スペインも5.5%前後の水準まで上昇している。

国債は、信用が低下して売られると、国債価格が下がり、金利は上昇する。日本の10年もの国債利回りが約1%前後で安定していることから考えると、5~6%以上で推移するイタリアやスペインの利回りはかなり高いことが分かる。

今回の利回り上昇の背景にあるのは、10月27日にEU(欧州連合)で合意した包括戦略の実効性に不安が高まっていること。

ギリシャ危機は一旦封じ込めたかに見えたが、次の不安要素として、イタリアやスペインが注目されはじめた格好だ。

また、31日は、アメリカの証券大手MFグローバル・ホールディングスが経営破綻した。欧州の国債を大量保有していたという。欧州の債券危機がアメリカにも波及した形だ。

損失の額が確定せず、ずるずると拡大し、お金をつぎ込んでも、つぎ込んでも、新たな支援が必要になる――という悪循環は、信用不安を起こす典型パターンだ。

やはり、ギリシャ問題はユーロの終わりの始まりになる可能性が高いかもしれない。(村)