米3大ネットABCが3日発表した世論調査で、「オバマ大統領は1期限りの大統領になる」との回答が55%にのぼった。この点についてオバマ大統領は同局でのインタビューで、「勝ち目が薄いことには慣れている」と述べ、大統領選で劣勢にあるとの認識を示した。
この世論調査では、2008年の大統領選でオバマ氏に投票した無党派の6割が「不支持」を表明している。オバマ大統領の再選を予想する人は37%にとどまった。
昨年11月の中間選挙で民主党が劣勢に立たされたときには、2012年の大統領選でクリントン国務長官を副大統領に起用する案が取りざたされた。ワシントン・ポスト紙のベテラン記者ボブ・ウッドワード氏が昨秋「政権内部で検討されている」と明らかにしたものだ。
外交でクリントン氏がオバマ政権の顔として一定の評価を得て人気も高いためで、バイデン副大統領については国務長官に据えるという構想。今後、オバマ・クリントンの「ドリームチケット」(夢の組み合わせ)で起死回生を図るアイデアが再浮上しそうだ。
クリントン氏としては、オバマ氏の「次」を狙う可能性もあるので、悪い話ではない。
それどころか「ヒラリー・クリントン大統領」を期待して、選挙資金を集める動きが出ている。共和党側のチェイニー前副大統領が「オバマ大統領よりも勝てる」との趣旨の発言をしたこともあるほどだ。
劣勢のオバマ氏はどんなカードを切ってくるのか。前回の大統領選のように、演説のテクニックだけでは切り抜けられない情勢にあるだけに、強力なパートナーが必要となっている。(織)