前大統領のプーチン首相が、来春のロシア大統領選に出馬すると表明した。

メドベージェフ大統領がプーチン首相に出馬を要請した形であり、ほぼ再登板することが確実だ。最長で2期12年間、大統領を務める可能性がある。

プーチン氏はすでに2期8年大統領を務めており、メドベージェフ政権時代も実質的な権力を握っていたことを考えると、合計で20年以上にわたる超長期政権になる可能性が出てきた。

日本にとっては、プーチン氏が返り咲くことで、ロシアとの関係は改善に向かう可能性がある。

佐藤優氏も25日付産経新聞で「プーチン氏は中国をアジア最大の脅威と見なし、それに対抗するため日本との関係を重視していた」と指摘し、「プーチン氏が大統領となれば、日本との関係ではまず北方領土問題が動き始めるだろう。交渉は大変で、ロシアが四島をすぐに返すということは考えられないが、日本人の感情を逆なでするやり方はないだろう」と予測する。

もっとも、佐藤優氏も指摘するように、「プーチン氏が親日家だというわけではない」。あくまでもロシアの国益を考えた上での判断であるため、日本も日本の国益を考えた上で、ロシアのとの協調を考える必要がある。

また、メドベージェフの対日強硬路線も、実は背景でプーチンが承認していた可能性もあるため、予断は許さない。

いずれにせよ、ロシアとの関係を見直す機会になることは確かである以上、日本も戦略的な外交戦略を構築したい。(村)