19日付産経新聞で中国軍事専門家の平松茂雄氏が「中国の空母時代」について書いている。10日に中国が旧ソ連から購入した空母の試験航行を行ったことを受けたもの。
ポイントは、毛沢東が50年代にアメリカから何度も核兵器と空母の脅威にさらされ、台湾統一を果たせなかったため、60~70年代に核開発を急ピッチで進め、80年代から海軍の増強を進めてきたという点だ。
つまり、毛沢東が「米国の言いなりにはならないぞ」と考えた戦略が60年以上かけて一歩一歩具体化してきたということだ。
海軍増強の中心が空母の保有で、平松氏は2050年までに空母戦闘群を保有すると見ているが、今のペースならば、前倒しされることは確実だ。
「中国が空母を保有する意図が分からない」と書くメディアもあるが、結局は、核兵器と空母戦闘群によって、米軍の脅しに屈しない体制をつくることを狙っている。
2020年から30年にかけて米軍が東アジアから押し出されたとき、日本はどうするかを今から準備しておかなければならない。(織)