6日土曜、イスラエル各地で物価高騰に抗議する大規模デモが行われた。
首都テルアビブやエルサレムなどで約25万人が参加したと見られ、過去最大規模の抗議デモだという。参加者の多くは物価高騰に不満を持つ中間層で、不動産価格の高騰、公教育の不振、公衆衛生や交通網の不備などについてネタニヤフ政権が十分な政策を行っていないとし、「社会的正義」や「福祉国家」の実現を訴えた。参加者はかつてのイスラエルにおける社会主義運動のシンボルである赤い旗を振っていた。
ネタニヤフ首相は7日閣議を招集し、「民意を無視することはできない」として改革を約束したが、「国民全員を満足させるのは無理だ」とも述べた。8日付米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は、イスラエルの極左政党の国会議員の言葉を載せている。「新左翼(a new left)の復活だ。現時点では政治的リーダーシップが存在していないこのエネルギーが、どこへ向かうかは予断を許さない」と。
過去数十年間で最大規模の、福祉国家や平等性を求めるデモがイスラエルで起きたことをどう見るか。幸福の科学は、21世紀においてはイスラム教が、平等思想を担う点で、かつての社会主義運動に代わるものになると見ている。平等や福祉を求める左派勢力がイスラエル国内で強まることは、潜在的に、イスラエルと対立するイスラム教国側の価値観に通じていくことを意味する。イスラエルの「平等主義化」が進むか注目される。(司)