中国国防省が27日、初めて公式に空母保有を発表した。
中国当局はこれまで空母保有について沈黙を固持してきたが、空母の試験航行時期についてはさまざまな憶測が飛び交っていた。今回の発表によると、旧式空母を現在改装中で、科学研究試験と訓練に活用するという。この空母は旧ソ連製空母「ワリャーク」を指し、中国人民解放軍建軍記念日の8月1日に試験航行するとの見方が有力だが、実戦能力には疑問視する声も多い。
こうした中国の軍拡を懸念して、アジア諸国のうち軍事力がもっとも弱い国の一つであるフィリピンでさえも軍備増強を急いでいる。
6月には、米国と外相級会談を行い、「米比相互防衛条約」を南シナ海での「有事」にも適用し、米国がフィリピンを防衛することに合意。同時に、フィリピン軍の装備を増強・更新するとして、アキノ比大統領は前年比同81%増の約20億ドルの軍事予算を割り当てる方針を示した。その5日後には米国と共同軍事演習を行っている。さらに、米国から大型巡視船を数隻購入し、大統領は今月25日の施政方針演説では「今後も艦船、ヘリコプター、航空機を手に入れる」と軍備増強の方針を示した。
だが我が国では、国外の脅威に対する懸念どころか、国内の厄介者への対策で手一杯だ。(吉)