英国医学アカデミーは22日、ヒト物質を埋め込んだ動物(ACHM=animals containing human material)を用いた研究の可能性に関する報告を発表した。ある種の研究は、倫理面や規制面で懸念を呼ぶおそれがあるという。同アカデミーのサイトや23日付英紙フィナンシャル・タイムズから紹介。
現状では動物にヒト物質を植え付ける行為は、主としてマウスに人間の遺伝子を比較的少数だけ挿入する操作に限られている。目的は、病気の原因究明や治療法の開発だ。
だが同報告は、近い将来技術的に可能になると思われる研究の中で、三つのタイプが特定の懸念を引き起こす恐れがあるとしている。裏を返せばこの三つは遠からず可能になると見ていいということだ。すなわち、
- 動物の脳が人間と同じ「脳活動」(cerebral function)ができるようになる可能性につながる、脳の組成変更(modification)。すでに米国では脳細胞の4分の1がヒトの神経細胞に由来するマウスを作り出しており、脳細胞すべてがヒト由来のマウスを作る可能性も議論されているという。
- 動物の胎内でヒトの卵子や精子を受精させる実験。
- 人間に特有と見なされている特性を、動物に持たせる方向の実験。たとえば人間に似た顔つき、人間のような肌、あるいは言葉を話すこと。すでに、人間の言語活動に関する遺伝子をマウスに埋め込む実験は行われていて、普通のマウスと鳴き声が微かに違うという。
将来的には科学者とそれ以外の人々が協力して、これらの研究の是非や規制について意思決定を下す必要があり、今からそのために議論を始めるべきであるという。
読者は、こうした研究は倫理的に問題アリと考えるだろうか。幸福の科学は、人間には人間の魂が、動物には動物の魂があると説いている。たとえ脳や肉体の大部分がヒト由来の物質でできた動物を作れたとしても、そこに人間の魂が宿らない限り、人間のような精神活動や言語活動をすることはない。この霊的真実を踏まえれば、より効率のいい研究ができるはずだ。(司)