福島県内の子供や肉用牛から放射性セシウムが検出されたという報道が相次いでいる。

9日には各紙が南相馬市の農家が出荷した肉用牛1頭から規制値を超える放射性セシウムが検出されたと報じた。6月30日には、同県内の市民団体が福島市内在住の6~16歳の男女10人の尿検査を実施し、放射性セシウムが検出されたと発表した。

ある週刊誌は「福島の子供のほとんどが内部被爆し、チェルノブイリ原発事故のように、数十年後に甲状腺がんが発症する」と煽っている。

チェルノブイリ事故が引き合いに出されるので、事実関係を確認しておきたい。国連8機関と関係各国政府が参加した最も信頼できる調査は、事故後、小児甲状腺がんが400例発生し、15人が死亡したとしている。これは、子供たちが放射性ヨウ素に汚染された牛乳を飲んだことが原因。当時、ソ連政府が出荷停止措置を取らず、子供たちは福島の1千倍以上の放射性ヨウ素を取り込んだ。

つまり、福島では、甲状腺がんを起こす可能性のある放射性ヨウ素はチェルノブイリの1千分の1で、3カ月が経って子供たちの体内から消滅している(ヨウ素の半減期は8日)。甲状腺がんになるリスクも同時に消滅したと言っていい。

放射性セシウムによる健康被害は、チェルノブイリ事故でも報告されていない。比較にならないぐらい放射線量が少ない福島では、健康被害は考えられない。

以上の結論は、本web内の「放射線量調査独占レポート 福島の住民に健康被害は起きない」をご覧いただきたい。

結局、各メディアが放射線が単に「検出された」だけで大騒ぎをし、それに読者、視聴者が振り回されてしまっているのが現実だ。今は健康被害ではなく、「報道被害」が深刻さを増し、「脱原発」ムードを煽っている。(織)

【参考記事】「放射線量調査 独占レポート 福島の住民に健康被害は起きない」(映像レポート含む)

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=2338