「甲状腺微量被ばく45%」
5日付東京新聞1面トップにこんな見出しが躍った。
国の原子力安全委員会が行った福島第一原発周辺に住む子供約千人を対象に行った放射線の被曝調査の結果を報じたものだ。
これだけ見ると、半数近い子供が甲状腺に被曝し、大きな被害を受けたように見える。
しかし、記事の内容をよく見ると、そんなに深刻な事態ではないことが分かる。
まず被曝した子供のうち99%は、年20ミリシーベルトに相当する被曝量。
国際放射線防護委員会の勧告では、年間100ミリシーベルトの被曝で、発がんリスクが0.5%高まるとし、この量を緊急時の年間被曝量の限度としている。
今回の福島の調査では、その5分の1の被曝量に過ぎない。安全委の加藤重治審議官も「精密検査の必要はないレベル」と話しているという。
これは、福島は思った以上に安全であることを示す結果だと見るべきだろう。
一人も限界値を超えていなかったわけだし、発がんリスクが0.5%高まるという話も、喫煙や飲酒などの不摂生を原因とする発がんリスクの方が高い可能性がある。
同じ情報でも、「子供全員が基準値内だった」と報じるか、「子供の半数が被曝していた」と報じるかで、印象は随分変わる。マスコミには、あまり露骨に危機を煽って“報道被害”を広げないように注意を促したい。(村)







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