《ニュース》

米カリフォルニア州・ロサンゼルスの州裁判所の陪審団が、Instagram(インスタグラム)やYouTube(ユーチューブ)などの設計が、利用者にとって中毒性の高いものになっていたとして、SNS企業に損害賠償を支払うように命じる評決を出しました。アメリカではSNS企業の責任を問う同様の裁判が他にも3千件以上あり、先行事例として注目を集めていました。

《詳細》

この訴訟は、2023年にカリフォルニア州在住の20歳女性が、InstagramやFacebook(フェイスブック)を運営するMETA(メタ)と、YouTubeを運営するGoogle(グーグル)相手に提起したものです。

原告の女性は、6歳からYouTube動画にはまった後、9歳でInstagramを始め、1日最大16時間も使うほど依存した結果、10歳からうつ病や自殺願望、摂食障害などの深刻な精神的苦痛を経験したと主張していました。

25日の評決は2社に対し、SNSが利用者にとって中毒性の高いものになるよう"意図的に"設計されていたとし、600万ドル(約9億5千万円)を女性に支払うように命令。METAが7割、Googleが3割の支払いを命じられました。

裁判の争点は、ショート動画を途切れなく見続けられる「無限スクロール」機能や、頻繁に届く通知など「SNSの設計」が、利用者を依存症に陥れたかという点です。

原告側は、こうした仕組みが子供の心身の健康状態を悪化させるリスクを高めており、「たばこ」や「ギャンブル」と同様の有害性があると訴えてきました。

公判では、METAの2015年の社内メールで、「13歳未満の利用者が約400万人いると報告されていたこと」や、「利用時間の増加を最優先事項に掲げていたこと」などが明らかとなっていました。原告側は「広告収入を上げるため、子供がアプリから離れられないよう意図的に設計されていた」と非難していました。

評決ではこうした原告側の主張が認められた形です。アメリカではこれまで、SNSをめぐる問題が起きても、SNS企業側に法的責任が問われるケースが少なかったため、「画期的な評決」であると評されています。

一方、METAとYouTubeはこの評決を不服とし、上訴するとしています。

META側は、原告女性の精神的問題には家庭環境など他の要因も大きいとして、企業側の責任を否定。Instagramの責任者アダム・モッセリ氏は、「一日の大半をInstagramで過ごす10代の若者に問題がある」と述べています。

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