《本記事のポイント》

  • 「家族で楽しめる」その原点とは
  • ファミリー・エンターテイメントとは何か
  • 世代を超えた体験価値

さて、今回は前回に引き続き、東京ディズニーランドが好きな理由の5番目「家族で楽しめる」を深掘りして参ります。

この「家族で楽しめる」という理由ですが、やはりウォルト・ディズニーその人が、ディズニーランドを構想した原点に遡る有名な逸話がありますので最初にご紹介いたします。

ウォルトの原体験

ある時、ウォルトは幼い二人の娘を連れて遊園地に行きます。そこで、娘二人を回転木馬に乗せて、自分はベンチに座り、ポップコーンを食べながら、娘二人に笑顔で手を振るわけです。

その時、楽しそうにしている娘を見ながら、「なぜ、回転木馬に乗るのは娘たちだけで、自分はベンチに座り、手を振ることしかできないのか。娘と一緒に乗れる回転木馬はできないのか」。

ウォルトはそう考えます。娘と一緒に乗れる回転木馬。この父親として、こよなく娘を愛するウォルトの着想こそがディズニーランドの回転木馬開発の重要な出発点になるわけです。

親子で楽しめる工夫

ちなみに回転木馬の配列は4列あり、列ごとに木馬のサイズが違います。大人の乗れる大きな木馬の脇には、子供のサイズに合った小さな木馬があり、一緒に並んで座って楽しめるようになっています。

また、ディズニーランドがオープンした当時、その回転木馬に乗りたい子供たちがある木馬の前で列をつくって待っていることをウォルトは発見します。よく見ると、それは、いろいろな色の木馬がある中で、白い馬であることに気づきます。そして「すべての馬の色を白馬にしよう」と考え、現在の東京ディズニーランドにあるような全部白馬の回転木馬になるわけです。多くの子供の夢を叶えてあげたわけです。

さらに、園内をいろいろ見てみますと、各所に水飲み機があります。それも、お互いに向き合う形で大小二つの水飲み機が設置してあります。これも、親子が顔をむき合わせながら、一緒に水が飲めるようにするという設計コンセプトが背景にあります。

また、そこここに「隠れミッキー」と言われるミッキーのシルエットを施したマークが隠されており、それを見つけるという楽しさもあります。「あ! ミッキーがあった!」と叫ぶ子供を見て、親も嬉しくなるわけですね。

ファミリー・エンターテイメントの世界

ごく一部の事例紹介でしたが、このように親子で楽しめる、家族で楽しめるための配慮を施した娯楽施設を、「ファミリー・エンターテイメント」と呼んだりします。

この「ファミリー・エンターテイメント」の意味するところは、年齢や立場、価値観の異なる家族構成員が、同一の空間・同一の体験を共有しながら、それぞれ異なる意味と満足を同時に得られるように設計された体験型のエンターテインメントを指すと言えると思います。

それは「三世代ディズニー」という考え方に反映されています。子供の頃、親に連れられて来て、はじめてディズニーキャラクターに合った頃の思い出。そして友達や恋人と一緒に来た時の思い出。結婚し、子供を連れて来た時の思い出。さらには孫を連れて来た時の思い出。最後に、その連れて来た孫が楽しそうにしている姿を見て、自らの子供の頃に来た時の思い出が蘇る。まさに三世代を通じて得た異なる体験が、時を経てすべてディズニーの世界に完結していく。究極のファミリー・エンターテイメントの姿が、そこにあると言えるでしょう。

さて、次回は、あらためてこのテーマパークが提供する新たな体験価値について、いろいろな事例を通じて深掘りして参りましょう。

(吉崎富士夫)

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