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《本記事のポイント》

  • 厳しい試練と神への従順
  • 神に反逆した者を待ち受ける運命とは
  • 危機の向こうに輝く希望の光

惑星パンドラへの侵攻を再び開始した人類に立ち向かったジェイク(サム・ワーシントン)とナヴィ族の妻ネイティリ(ゾーイ・サルダナ)たち家族は、パンドラの岩礁地帯で海の民メトカイナ族と共に暮らしていた。しかし彼らは、人類との熾烈な戦いで命を落とした長男ネテヤムの死を未だ受け入れられずにいた。

ジェイクは、ウィンド・トレーダーズとして知られ空高く旅する平和的遊牧民のトラリム族の族長ペイラックに、人類の孤児スパイダーをオマティカヤ族の要塞ハイキャンプへ帯同してもらうことを依頼するものの、結局はジェイクたち家族全員がスパイダーに同行してウィンド・トレーダーズたちと共に旅立つこととなった。

だが、間もなくヴァラン率いるマンクワン、別名"アッシュ族"の攻撃を受け、一同の旅は中断を余儀なくされる。"アッシュ族"は火山の噴火により生活が荒廃し、生活や文化そのものが劇的に変化してしまったナヴィ族だった。そして、そのすべてがパンドラの偉大な母である"エイワ"によるものだと非難していた。

一方、人類は、ジェイクらとの戦いで敗北を喫して以降、人員装備を再編成することで次なる攻撃の計画を目論んでいた。パンドラの平和な生活を願うジェイクたちと人類との終息の見えない戦いが、また始まろうとしていた──。

厳しい試練と神への従順

シリーズ3作目となる本作品は、前2作と比べて宗教的側面が強く打ち出されているのが特徴的だ。処女懐胎やアブラハムによるイサクのいけにえ、神との対面、神から言葉を授かる預言など、聖書的・神話的エピソードをベースとしたシーンが随所に盛り込まれ、パンドラをめぐる壮大な創世紀神話が本格的にスタートする。

そこで映画の前半部分は、パンドラの神エイワに選ばれし者たちであるジェイク一家に降りかかる様々な試練が描かれている。

特に、もともと地球人類であるジェイクと結婚し、人類であるスパイダーを一家に受け入れ、神秘的な力を持つキリを養女としたネイティリは、最愛の長男の死を受け入れることができず、苦悩の中に落ち込んでいく。ついには、人類への憎しみからスパイダーの殺害をジェイクに懇願するまでになり、正気と狂気の境目をふらつくまでになってしまう。

そこにアッシュ族の攻撃を受け、さらには再び人類の反撃を受けるにあたって、ネイティリは重傷を負い、ジェイクとの間にも深い溝が生まれてしまう。立て続けに襲ってくる試練の中で、ジェイクとネイティリは互いに孤立し、苦悩を深めていく。

人生に降りかかる苦難の意味について、大川隆法・幸福の科学総裁は著書『希望の法』の中で次のように指摘している。

この世では苦しんでいるように見えても、そのとき、魂は磨かれているのです。その意味では、偉大な魂であるほど、この世では、大きな試練に出会うことがあります。したがって、自分が出会っている試練を見て、自分の魂の器を知ることが大事です。

『大変な試練が来ている』と思うならば、『自分には、それだけ、大いなる使命があるのだ。いま、自分の魂を磨いているのだ。自分の魂を磨くための問題集が用意されているのだ』と思わなければいけません。

その問題集の内容を見て、問題集をつくった人、問題を出した人の考えを読み取り、『われ、何をなすべきか』ということを考えていただきたいのです

こうした試練の中で、ジェイクとネイティリたちは、ついにエイワの深い導きを受け入れ、その意志に従順となり、勇気を奮い起こして困難に立ち向かっていくことになるのだ。

神に反逆した者を待ち受ける運命とは

エイワの導きに従順となることを選び取ったジェイク一家とは対照的なのが、今回登場するアッシュ族である。彼らは、かつて自分たちを襲った火山爆発の際に、エイワが何の助けも示さなかったことに深く失望し、パンドラの偉大な母であるエイワを非難し続け、盗賊を生業としている。

族長のヴァランは、人類軍の大佐クオリッチから見せられたマシンガンや重火器に魅了され、人類軍と手を組んで、パンドラ全体の支配を目指すまでになる。

パンドラの偉大なる母エイワを、"弱き神"と罵り、その導きに背を向け、パンドラの鉱物や天然資源にしか目がない、欲望に突き動かされた人類軍に加担する姿は、なんとも痛ましい。そこにあるのは、謙虚さを忘れた傲慢な者の姿である。こうした傲慢さこそ、人類が今、最も悔い改めるべきものだとして、大川総裁は次のように指摘している。

現代人は、仏神の心に『従順』に生きるという言葉の意味すら忘れ、傲慢になっています。あの世を否定し、神も仏も否定したところに現われるものは何でしょうか。それは利己心のみを"神の心""仏の心"と称する考え方です。現代では、『自分自身をかわいく思う心がすべてである』という考え方が強くなってきています。しかし、それは、はたして理想的な姿でしょうか。そうではないはずです」(『繁栄の法』より)

アッシュ族と人類軍は、最後にパンドラの神エイワから厳しい裁きを受けることになるのだが、そこには、「人類がより良い存在になるための道を示すこと、それは『アバター』に込めたメッセージそのものだ」とするジェームズ・キャメロン監督の切なる願いが込められてもいるのだろう。

危機の向こうに輝く希望の光

本作品には印象的シーンが数多く登場するが、中でも特筆すべきは、養女のキリが救いを求めてエイワとコンタクトするシーンだ。

キリは、アバター計画の中心人物だったグレース・オーガスティン博士のアバターから生まれたが、実は父親のいない処女懐胎だったことが今回、明らかにされている。

深く自分の魂の中に沈潜し、エイワとの交流を妨げている自らの迷いや疑いを克服しつつ、ついに対面を果たすシーンは神秘的だ。

中世のカトリック神学者トマス・アクィナスは、人間にとっての究極の幸福は、神と対面することだとしたが、本作品には、こうしたキリスト教的世界観の本質が深く刻印されている。それは、どんなに科学技術が進歩したとしても、やはり宇宙の中に置かれた被造物として人類の幸福は、神との一体感そのものであり、それが希望の根源でもあるということだろう。

疲れ切った時、

人は自信を失い、

愚痴を言う。

他人への不信感をあらわにし、

時に怒りに身を任せ、

暗黒の未来を、心に描く。

しかし、

信仰心だけは、

手離してはならない。

信仰は、

あなたに勇気を与える。

信仰は、

あなたに、

やる気と、未来への希望を与える。

心が疲れてしまったら、

「主よ、あなたを信じます。」と、繰り返して、言葉に出しなさい。

必ず、希望は叶う。

希望は、実現するしかないのである。」

(『心の指針Selection4信仰心と希望』)

自分たちを導く神への従順さを取り戻し、破滅的な危機を乗り越え、再び光は取り戻せることを信じ続けたジェイク一家の"心の旅路"を描いた本作品は、希望の復活について考えるための一つのヒントを提供してくれることだろう。

 

『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』

【公開日】
全国公開中
【スタッフ】
監督・脚本:ジェームズ・キャメロン
【キャスト】
出演:サム・ワーシントンほか
【その他】
2025年製作 | 197分 | アメリカ

公式サイトhttps://www.20thcenturystudios.jp/movies/avatar3

【関連書籍】

いずれも 大川隆法著 幸福の科学出版