
アジア太平洋交流学会会長・目白大学大学院講師
澁谷 司
(しぶや・つかさ)1953年、東京生まれ。東京外国語大学中国語学科卒。東京外国語大学大学院「地域研究」研究科修了。関東学院大学、亜細亜大学、青山学院大学、東京外国語大学などで非常勤講師を歴任。2004年夏~05年夏にかけて台湾の明道管理学院(現・明道大学)で教鞭をとる。11年4月~14年3月まで拓殖大学海外事情研究所附属華僑研究センター長。20年3月まで、拓殖大学海外事情研究所教授。著書に『人が死滅する中国汚染大陸 超複合汚染の恐怖』(経済界)、『2017年から始まる! 「砂上の中華帝国」大崩壊』(電波社)など。
12月4日、中国が東アジア海域に多数の軍艦と海警船を配備し、その数は一時100隻を超え、今までで最大規模の海上武力示威行動となった。中国船の集結範囲は黄海南部から東シナ海、南シナ海を経て太平洋海域にまで広がっている(*1)。
一部の中国艦船と戦闘機は同海域で外国船に対する模擬攻撃を実施し、紛争発生時に外国勢力が増援を派遣するのを阻止する「接近阻止・領域拒否(A2/AD)作戦」を訓練したという。
その後、中国艦船は12月4日朝までに90隻に減少したが、台湾に接近した中国艦船数は増加していない。
(*1)2025年12月4日付地球大観
国防必要量をはるかに超えた艦船数を配備
今度の行動の規模は、昨年12月に北京政府が台湾近海で実施した大規模な海上展開を上回るという(だが、北京はこれを公表していない)。
12月3日、台湾国家安全局の蔡明彦(さい・めいげん)局長は、同日朝の時点で中国が西太平洋に4つの海軍部隊を展開しているとして、「台湾は中国軍をあえて過大評価し、あらゆる可能性を排除しない」と述べた。
高市首相の「台湾有事」発言を巡る日中緊張の高まりを受け、中国が先月中旬以降、同海域に通常より多くの艦船を派遣し始めている。ただある情報筋は、「これは中国の国防に必要な量をはるかに超えており、関係各国にリスクをもたらしている」として、前例のない展開を通じて、北京は各国の反応を試そうとしているのではないかと指摘しているという。





















