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トランプ米政権が発足して以降、メキシコで「脱中国」が加速しています。

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中南米に位置するメキシコは近年、中国との貿易に依存してきました。

特に中国が、第一次トランプ政権との貿易戦争を回避するために、メキシコを「迂回輸出」の中継地点として利用したため、2015年からの10年間で中国からの輸入が450億ドル(約7兆円)増加。輸入の5分の1を中国製品が占め、それらの製品の70%がメキシコで操業する企業に供給され、その半数が中国企業というほど、メキシコ経済に侵食していました。

そうした中、トランプ政権は、「中国製品がメキシコを経由してアメリカに輸出されている」「合成麻薬フェンタニルも、中国からメキシコ・カナダを経由してアメリカに流入している」と厳しく批判し、25%の関税を課しました。それ以降、メキシコ政府は「脱中国」に本格的に乗り出しています。

メキシコ政府は昨年12月、「自国と自由貿易協定を結ぶ国以外に、繊維製品の輸入に最大35%の関税を課す」と発表。これは、繊維輸入の3分の1を占める中国を事実上狙い撃ちしたとみられます。

今年7月には、中国の電気自動車(EV)大手BYDが計画していたメキシコでの新工場建設を政府が拒否。エブラード経済大臣は今年9月、「中国製自動車への関税を50%に引き上げる」ことを検討していると表明しています。

メキシコ経済省によると、25年1~9月の海外からの直接投資は409億ドル(約6.4兆円)と過去最高を更新していますが、その4割弱をアメリカが占めているといいます。一方、これまでメキシコへの直接投資額で10位以内に入っていた中国は、25年には「圏外」に後退したとのことです。

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