《ニュース》
米企業が人工知能(AI)の導入を見据えて約95万人の雇用を減らす中、トランプ米大統領が推進してきた「製造業の回帰」に注目が集まっています。一部のホワイトカラーの雇用がAIに奪われる一方、技術系のブルーカラーが台頭しています。
《詳細》
その模様を報じた日本経済新聞によると、アメリカの「配管工は今や医者よりも収入が高い」「ブルーカラーの仕事で賃金が最も高いのはエレベーターとエスカレーターの設置・修理工で、年間所得は中間値で10万6580ドル。日本円にして1600万円に上る。この職業の学歴は高卒が普通だ」といい、「AIには代替できない、技能を習得し経験を積んだ配管工や自動車整備士など、日本の職人に相当する技能工への需要が高まっている」ようです(2日付電子版)。
ブルーカラーの人気を加速させたのが、トランプ共和党が7月に成立させた「減税・歳出法(OBBB)」です。手に職をつける教育プログラムへの助成を強化したことで、職業訓練学校への入学者が増えています。
その一方で、逆風となっているのが、アメリカのプログラマーであり、AIが導入されて以降、労働人口は4分の1以上消えました。その影響もあり今年1~9月にかけて、米企業が発表した人員削減数は、前年より5割多い約95万人に達しています。直近では大手アマゾン・ドット・コムが1.4万人のリストラを発表しました。
日本経済新聞は「高額の授業料を支払ってやっと卒業した大学生が職にあぶれ、ブルーカラーは引っ張りだこ」になっていると伝え、アメリカでは雇用状態が流動的になりつつあります。
トランプ政権がハーバード大学への助成金を停止したことをめぐり、レビット大統領報道官は「ハーバード大でLGBTQを学んだ人より、電気工や配管工などの人材がもっと必要だ」と強調していました。AIの進歩により、ホワイトカラーとブルーカラーの地位が逆転していけば、トランプ政権が推進する「製造業の回帰」に先見の明があったと言えます。
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