ゾーラン・マムダニ氏(画像:"Zohran Mamdani at the Resist Fascism Rally in Bryant Park on Oct 27th 2024" by Bingjiefu He is licensed under CC BY-SA 4.0.)。
《ニュース》
米最大都市ニューヨーク市の市長選が5日(日本時間)に行われ、民主党候補の"共産主義者"ゾーラン・マムダニ氏が当選しました。
《詳細》
34歳のマムダニ氏はアフリカ・ウガンダ出身の移民で、元ラッパー。現在はニューヨーク州下院議員を務めています。
ニューヨーク市では、現職のアダムズ市長の任期満了に伴う市長選が行われ、マムダニ氏と、前ニューヨーク州知事のクオモ氏(民主党候補者を決める予備選でマムダニ氏に敗北)、共和党候補のスリワ氏が争いました。同市はもともと民主党が強い地域であり、6月にマムダニ氏が民主党候補に選ばれた時点で、市長当選の可能性が高いと言われていました。結果、マムダニ氏の得票率は50.3%と、クオモ氏の41.6%を大きく上回り勝利しました。
全くの無名議員から番狂わせを果たしたマムダニ氏は一躍脚光を浴びていますが、批判や懸念の声が相次いでいます。というのも同氏が「共産主義者」と指摘されているからです。
マムダニ氏は、「億万長者との戦い」を公約に掲げ、物価高騰に苦しむ市民へのバラマキを提示しました。賃貸住宅の値上げ凍結や市営バスの無料化、保育無償化、市営の食料品店の設置などのポピュリズム的な政策を並べ、その財源確保のため、「年収100万ドル(1.5億円)以上の市民に対する所得増税」や「大企業への州法人税を7.25%から11.5%に引き上げ」といった富裕層課税を主張。その他、「未成年者を含むトランスジェンダーの治療に6500万ドル(約100億円)を充てる」ことも唱えていました。
かねてより、「億万長者は存在すべきではない」「(減税は)経営者が労働者から容易に盗みを働くことだ。課税は窃盗ではない。資本主義こそが窃盗なのだ」と訴えてきました。また、「私有財産を廃止することになったとしても、すべての人に住宅を保証すべき」「私たちが固く信じている『生産手段の掌握という最終目標』は、あまり支持を受けていない」などとも発言していますが、この「私有財産の廃止」や「生産手段の掌握」もマルクスの考えに由来していると、保守派を中心に批判が殺到しています。
トランプ大統領もマムダニ氏の当選を危惧していました。「共産党候補のマムダニ氏がニューヨーク市長選に勝利したら、必要最低限の額以外、(同市に)連邦資金を拠出することはまずない」「彼の信条(共産主義)は1000年以上も試されてきたが、一度たりとも成功したことはない」「共産党員が舵を取る限り、状況は悪化するばかりだ。大統領として、無駄な資金を流用したくない」と厳しく非難。マムダニ氏の勝利を阻止するために、民主党所属のクオモ氏支持まで表明したほどです。
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