中国海軍の艦艇11隻が22日から23日にかけて、沖縄本島と宮古島の間の公海を太平洋から東シナ海に向かって通過した。23日、防衛省が発表した。
11隻は今月8日から9日、同海域を東シナ海から太平洋に向かって通過し、沖ノ鳥島南西約450キロの海域で射撃訓練や無人航空機の飛行訓練などを実施、その訓練を終えて帰る途中のものと見られる。
東シナ海、南シナ海、太平洋において、こうした中国の示威行動が頻繁になっているなか、オーストラリアは国防体制を中国に対応したものへ見直しを始めた。23日付産経新聞によると、オーストラリアは、国防体制の主体を南東部の基地から、東南アジアとインド洋に面する北部、北東部、南西部の基地に移し、装備の配備増強などにより強化する。具体的には、(1)今後導入する方針のF-35統合攻撃戦闘機約100機、新型潜水艦12隻、新型防空駆逐艦3隻などの重点配備(2)基地や部隊の統廃合(3)米軍との基地共同使用の再評価――である。
また、米軍はオーストラリア南部の空軍基地などを使用しており、アジア・太平洋地域、インド洋における米国のプレゼンス強化を補完するものとされる。
だが、日本は今回の中国艦艇の通過に対してもなんら抗議もしていない。くしくも22日、オバマ米大統領がアフガン駐留部隊を、年内に1万人、来年9月までに計3万3000人撤退させると発表した。米国がすでに「世界の警察」から徐々に引き始めているときに、日本も同盟国としてやはり対中防衛策を強化し、東アジアにおける米国のプレゼンスを維持できるようにしておかなければならない。(吉)