東北地方の高速道路の無料化が20日午前0時からスタートした。

実施する路線は、白河インター以北の東北道など20路線で、対象は、被災者の全車種と(当面1年間)、被災者以外では復旧・復興物資などを運べる中型車以上のトラック、バス(当面8月末まで)。

一方で、09年から始まった高速道路の休日上限1000円と、10年から全国50区間でスタートしていた高速無料化実験は19日いっぱいで終了した。

路線、対象、期間とも、限定的とあって、効果は不十分に終わるだろう。

例えば、料金所を撤廃することこそ無料化のキモなのに、被災証明書を料金所で提示しなければ無料にならない。これでは、ETCより不便だ。

本誌では1998年から高速道路無料化の政策提言を行っている。本誌提言のミソは、無料化と同時に、料金所を撤廃し、インターチェンジを増設し、道路の拡幅や延長を図るところにある。でなければ、渋滞が生じてしまい、利便性も経済効果も損なわれるからだ。

現政権の行っている無料化は、単純にタダにするだけというものであり、本誌提言とは似て非なるものだ。

民主党政権の政策は常に「思い切り」が悪く、小出しに試して評判を見て、継続するかどうかを決めるというスタイルが多い。これでは出るはずの成果も出なくなる。リスクを最小にすればリターンも最小になる。失敗を怖れる無責任体質が中途半端な政策につながっているのだ。

ただ、高速無料化の流れには期待したい。(村)