《ニュース》

厚生労働省はこのほど、ハローワークで人工知能(AI)を活用し、求人と求職をマッチングさせる実証実験を始めます。

《詳細》

ハローワークでは、職員一人が同時に対応する失業者数が平均62人にのぼり、業務負担の重さが指摘されています。AI導入により、職員の勘や手作業によるところの大きかった職業紹介を効率化し、負担軽減を図る狙いです。

実証実験では、過去3年分の求職者と求人に関する情報をAIに学習させ、「どのような職歴を持った人が、どのような企業に採用されてきたか」を分析させます。その上で、求職者の適性に合った仕事を提案し、職員がそれを参考にしながら仕事を紹介します。

9月から10カ所のハローワークで実験を行い、運用状況を見て、本格導入するかを検討するといいます。AIによる国内最大規模の社会実験とされています。

求人・求職の世界ではこの数年間に、驚くべきスピードでAIが導入されつつあります。

大学生の就職活動では、すでに3人に1人が生成AIを利用しています(就職情報会社「マイナビ」の調査による)。就活者は企業に提出するエントリーシートの添削や作成代行、自己分析や業界研究など、幅広く活用しているといいます。

一方、主要企業も約3割が採用でAIを導入するとしています(時事通信調査)。

ローソンは26年4月入社の新卒採用から、一次選考面接でAIを導入します。エントリーシートに記載された内容からAIが質問を作成し、オンラインで自動面接を行います。キリンホールディングスも同年の新卒採用から、AI面接官がエントリーシートの読み込みと一次面接までを行うと発表しています。

AI導入により求職・求人の現場が効率化されつつある一方、さまざまな弊害も指摘され始めています。

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