澁谷 司

アジア太平洋交流学会会長・目白大学大学院講師

澁谷 司

(しぶや・つかさ)1953年、東京生まれ。東京外国語大学中国語学科卒。東京外国語大学大学院「地域研究」研究科修了。関東学院大学、亜細亜大学、青山学院大学、東京外国語大学などで非常勤講師を歴任。2004年夏~05年夏にかけて台湾の明道管理学院(現・明道大学)で教鞭をとる。11年4月~14年3月まで拓殖大学海外事情研究所附属華僑研究センター長。20年3月まで、拓殖大学海外事情研究所教授。著書に『人が死滅する中国汚染大陸 超複合汚染の恐怖』(経済界)、『2017年から始まる! 「砂上の中華帝国」大崩壊』(電波社)など。

新華社通信によると、習近平主席は2025年3月20日、雲南省昆明市で昆明駐屯部隊の大佐以上の幹部、草の根の先進モデル代表、文民要員らと接見した(*1)。

その際、習主席は初めて自らの退位(病気が原因か)について語ったが、その場にいた人々は一様にショックを受けたという。

(*1)2025年3月22日付『万維読者網』

習主席に同行する中央軍事委員会のメンバーがおらずさまざまな憶測呼ぶ

不思議なのは、会談に同席した呉亜男(ご・あだん)南部戦区司令官を除けば、習主席に同行していた軍関係者は、中央軍事委員会弁公庁の新主任・方永祥(ほう・えいしょう)中将だけだった。中央軍事委員会のメンバーは一人も現場に姿を見せず、特に同委員会副主席の張又侠(ちょう・ゆうきょう)や何衛東(か・えいとう)の姿が見えなかったことは波紋を呼んだ。

党公式メディアの報道によれば、習主席が過去に軍事現場を視察した際、少なくとも一人の副主席が同行し、時には張又侠か何衛東が同行していた。時事評論家の周暁輝(しゅう・ぎょうき)は、中央軍事委員会の副主席が習主席の部隊視察に同行しないなどという事態は、過去3年間では考えられなかったと語っている。

「党中央」による習主席に対する対応は、主席が権力を喪失しつつあり、側近の何衛東(か・えいとう)が窮地に陥っているという憶測をさらに深めた。