©2025『片思い世界』製作委員会

2025年5月号記事

Movie

編集部がオススメする「今こそ観たい」映像作品。

「片思い世界」

2025年4月4日(金) TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開

誰も見たことのない、究極の片思い

【スタッフ】
監督:土井裕泰 脚本:坂元裕二
【キャスト】
出演:広瀬すず、杉咲花、清原果耶/横浜流星/小野花梨、伊島空、moonriders、田口トモロヲ、西田尚美
【配給等】
配給:東京テアトル、リトルモア
【公開日】
2025年4月4日(金) TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開

 

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©2025『片思い世界』製作委員会

 

【レビュー】

現代の東京の片隅。古い一軒家で一緒に暮らす美咲(広瀬すず)、優花(杉咲花)、さくら(清原果耶)の3人は、仕事、学校、バイトへと、それぞれ毎日出かけて行って、帰ったら一緒に晩ごはん。リビングでおしゃべりして、同じ寝室で寝て、朝になったら一緒に歯磨き。お互いを思い合いながら穏やかに過ごす、楽しく気ままな3人だけの日々を送っている。だけど美咲には、バスで見かけるだけの気になる人がいて、そのことに気がついた2人は……。

もう12年。家族でも同級生でもないけれど、ある理由によって強い絆で結ばれている3人。

それぞれが抱える、届きそうで届かない〈片思い〉とは──。

ここでは明かせないが、脚本を書き下ろした坂元裕二は、彼にとって一つの終着点ともいえる驚くべき世界観を本作に託した。そして、再びタッグを組む土井裕泰が監督を務め、広瀬すず、杉咲花、清原果耶をトリプル主演に迎え、現代の新たなメルヘンを完成させた。この年代のトップを牽引する3人の演技は圧巻。特に広瀬の、内面の奥から沸き出るような表現力には目を瞠る。〈片思い〉ながらも進み続ける、彼女たちの眩しいほどの生命力の輝きが映画を彩り、装いを変えていく3人の衣装や部屋の装飾からは、絵本のような温かさが伝わってくる。劇中歌『声は風』の美しい合唱シーンは、「世界はこんな風であってほしい」という憧れと願いであふれているかのようだ。

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ザ・リバティWeb シネマレビュー

「片思い世界」

(星4つ。満点は5つ)