1月20日に行われたトランプ氏の米大統領就任式は、全てが圧巻だった。トランプ氏が「スワンプ(沼地)」と呼んできた首都ワシントンD.C.が、本当に変わり始めたかのようで、アメリカの第二の建国の息吹を感じるものだった。
大統領就任式は、記録的寒さへの対応のため、40年ぶりに室内(ワシントンの連邦議会議事堂)で行われ、全国に生中継された。トランプ氏は就任式スピーチの最初と最後に、「アメリカのゴールデン・エイジ(Golden Age)が今始まる」と語り、「ゴールデン・エイジ」の到来を繰り返し訴えた。
トランプ氏の就任式スピーチの様子(画像は「Joint Congressional Committee on Inaugural Ceremonies」のYouTubeより)。
20日付ウォール・ストリート・ジャーナルやザ・ヒル(議会紙)など多くのメディアは、「トランプ大統領、就任スピーチでアメリカの『ゴールデン・エイジ』を宣言」というタイトルで報道。またFOXニュースなどでは、「ゴールデン・エイジ」という言葉が通常使われない表現であるため、「ゴールデン・エラ(Golden Era)」と言い換えて報じていたアンカーもいた。
「ニューヨーク・ポスト」紙も「アメリカのゴールデン・エイジ」というタイトルで報道(画像:トランプ氏のSNS「トゥルース・ソーシャル」への投稿より)
トランプ氏が就任式のスピーチで発した「コモンセンスの革命(Revolution of common sense)」という言葉も話題になった(コモンセンスとは、常識、良識という意味)。
「本日、私は一連の歴史的な大統領令に署名する。これより、アメリカの完全な復興とコモンセンスの革命を始める。全てはコモンセンスの問題だ」(トランプ氏)
就任式には巨大IT企業のトップたちが勢揃いした。通常、同じ場所に集うことがあり得ない人々が集まっている風景だけでも圧倒的で、ニュースでも繰り返し報道されていた。
就任式に集ったメタ会長兼CEOのマーク・ザッカーバーグ氏、アマゾン創始者のジェフ・ベゾス氏、グーグルCEOのスンダー・ピチャイ氏、テスラ共同創業者兼CEOのイーロン・マスク氏など(画像はFOX 7 AustinのYouTubeより)。アップルCEOのティム・クック氏も参加した。
またトランプ氏は、就任式当日のメイン中継会場となったワシントン中心部の大型屋内競技場「キャピタル・ワン・アリーナ」で、就任式直後に登場して行ったスピーチでも、冒頭に「ゴールデン・エイジ」の到来を訴え、話題になった。キャピタル・ワン・アリーナでは、野外で行われる予定だったパレードが開催され(トランプ氏はそれを見る立場で)、過去、ホワイトハウス以外では行われたことがない大統領令のサインを、数千人のトランプ支持者を前にして行い始めた。
キャピタル・ワン・アリーナにいたのは、地方からやって来た熱心なトランプ支持者のみで、極寒の中、未明あるいは早朝から何時間も並んで入った人々だ。トランプ氏は彼らに、大統領令のサインに使用したペンを投げて渡すという"ファンサービス"も行った。
あらゆる企画が規格外で、自由で、本当に驚くばかりだった。