澁谷 司

アジア太平洋交流学会会長・目白大学大学院講師

澁谷 司

(しぶや・つかさ)1953年、東京生まれ。東京外国語大学中国語学科卒。東京外国語大学大学院「地域研究」研究科修了。関東学院大学、亜細亜大学、青山学院大学、東京外国語大学などで非常勤講師を歴任。2004年夏~05年夏にかけて台湾の明道管理学院(現・明道大学)で教鞭をとる。11年4月~14年3月まで拓殖大学海外事情研究所附属華僑研究センター長。20年3月まで、拓殖大学海外事情研究所教授。著書に『人が死滅する中国汚染大陸 超複合汚染の恐怖』(経済界)、『2017年から始まる! 「砂上の中華帝国」大崩壊』(電波社)など。

台湾の半導体製造大手TSMCは10月11日、自社の生産した最先端AI(人工知能)チップ(以下、チップ)が、米国の制裁により取引が禁じられている中国のファーウェイ製のAIプロセッサ(一定の手順に基づいてデータを変換・演算・加工する機能を持った装置、ソフトウェア、システムの総称)に、混入していたことを発見した(*1)。

ファーウェイは2020年8月から米国の「制裁リスト」に載っており、米政府の許可なくTSMCや他のチップファウンドリー(チップ生産工場)から、米国の技術を含むチップを購入することが禁止されている。

混入発覚を受け、TSMCは直ちに「輸出管理手続きを発動」し、米国と台湾の当局に通知した。

一方、ファーウェイ側は声明で、2020年、米国による対中輸出規制実施以降、TSMCのチップを使用してデバイスを製造していないと述べた。

(*1)2024年10月24日付『万維ビデオ』

混入事件が裏づける中国のチップ生産技術の限界