© 2024 Lions Gate Films Inc. and Participant Media, LLC. All Rights Reserved.
2025年1月号記事
Movie
編集部がオススメする「今こそ観たい」映像作品。
ホワイトバード はじまりのワンダー
心の中の輝きだけが、暗闇を追い払える
- 【スタッフ】
- 監督:マーク・フォースター、脚本:マーク・ボムバック、R.J.パラシオ
- 【キャスト】
- 出演:アリエラ・グレイザー、オーランド・シュワート、ブライス・ガイザー、ジリアン・アンダーソン、ヘレン・ミレン
- 【配給等】
- 配給:キノフィルムズ
- 【公開日】
- 2024年12月6日(金) TOHOシネマズ シャンテ他全国ロードショー公開
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【レビュー】
オギーと彼を取り巻く子供たちは、外見では推し量れない太陽のように輝く内面の価値に気づいて、理解を深め合っていった。しかし、いじめの主犯格として退学処分になったジュリアンは心を閉ざし、その時から彼の時間は止まってしまう。
そんなある日、世界的な画家として活躍する祖母サラが訪ねてきた。「あの経験で学んだのは、人に深入りしないこと。意地悪も優しくもしない」というジュリアンの言葉に心を痛めたサラは、心の奥深くに封印していた少女時代の衝撃的な過去、ナチス占領下のフランスでの出来事を伝え始める。
あの時、ユダヤ人のサラが見たのは、人間の果てしない憎悪。そして、死と隣り合わせの中でサラを必死に守るクラスメイトのジュリアン・ボーミエと彼の両親の"心の輝き"だった。足が不自由でいじめられていたジュリアン。しかしサラは、彼の豊かな知性と気高い精神に惹かれるようになり、終戦間近のニュースに希望を見出すが……。
本作が描くのは、2018年公開の大ヒット映画『ワンダー 君は太陽』のもうひとつの物語である。前作は、先天的に普通とは異なる容貌で生まれた少年オギーの物語だったが、今回は、最後まで彼をいじめ続けたジュリアンが主人公である。いじめた側の救済まで描かなければ『ワンダー』の真の世界観は完結しない──原作者R・J・パラシオのそうした決意が作品へと結実した。「命を危険にさらして人を助ける時、その親切は奇跡に近い」というサラの言葉を受け止め、同じ名前を持つ少年がもたらした未来を知ったジュリアンが選ぶ、小さな選択に注目したい。やがて未来に現れる、大きな希望の予感を感じることだろう。
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ザ・リバティWeb シネマレビュー
「ホワイトバード はじまりのワンダー」
(星4つ。満点は5つ)