© 2024映画「BISHU 世界でいちばん優しい服」製作委員会

2024年11月号記事

Pick Up Movie

編集部がオススメする「今こそ観たい」映像作品。

「BISHU ~世界でいちばん優しい服~」

10月11日(金)先行公開/10月18日(金)拡大公開

 

優しさと温かさがくるむ、凛とした決意

【スタッフ】
監督:西川達郎、脚本:鈴木史子、西川達郎、義井優
【主題歌】
主題歌:服部樹咲 feat.池内ヨシカツ
【キャスト】
出演:服部樹咲、岡崎紗絵、長澤樹、黒川想矢、知花くらら、田中俊介、山口智充、近藤芳正、吉澤健、清水美砂、吉田栄作
【配給等】
配給:イオンエンターテイメント
【公開日】
2024年10月11日(金)先行公開/10月18日(金)拡大公開

 

© 2024映画「BISHU 世界でいちばん優しい服」製作委員会

【レビュー】

世界三大ウール産地の一つ、愛知県一宮市で暮らす高校生の史織。発達障害を持つ彼女は、天真爛漫で明るく優しい反面、"歩き出しは右足から"など、生活習慣へのこだわりがとても強い。苦手なことも多く、朝は必ず「ひとつひとつ順番に、安全に、無理をしない」という3カ条を、父と一緒に確認してから登校している。

ファッションデザイナーの姉・布美は、東京でブランドを展開していたものの、挫折して地元へ戻り、父・康孝は、織物工場の経営に苦労しながらも、亡き妻との約束を守りながら娘の生活を支えて奮闘していた。

そんな中でも史織は、「尾州一の職人になるから大丈夫」と夢を持ち続けている。

ある日、天啓のようにひらめいた史織は、服のデザイン画"織姫"を描く。それが日常を変え始め、ファッションショーへ出る流れに。だが、布美は史織を応援しきれず葛藤し、康孝は史織が傷つくことを恐れて猛反対する。史織は、ショーをきっかけに関わった人々を通して、自分が傷ついてでも"応えたい思い"を見出していくが……。

世界の一流ブランドに認められながらも、数多くの課題に悩む尾州ウールの産地を舞台に、工場閉鎖を余儀なくされる父と、それでも諦めない娘の葛藤と希望を描く。

透明感あふれる繊細な表現力で、優しさと凛とした余韻を与える主演・服部樹咲の演技がとても美しく、史織が"羽化登仙"していく姿を見事に演じている。まさに上質のウールのような、心地よい温かさに満ちた作品だ。

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© 2024映画「BISHU 世界でいちばん優しい服」製作委員会

 

ザ・リバティWeb シネマレビュー

「BISHU ~世界でいちばん優しい服~」

(星4つ。満点は5つ)