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アジア太平洋交流学会会長・目白大学大学院講師

澁谷 司

(しぶや・つかさ)1953年、東京生まれ。東京外国語大学中国語学科卒。東京外国語大学大学院「地域研究」研究科修了。関東学院大学、亜細亜大学、青山学院大学、東京外国語大学などで非常勤講師を歴任。2004年夏~05年夏にかけて台湾の明道管理学院(現・明道大学)で教鞭をとる。11年4月~14年3月まで拓殖大学海外事情研究所附属華僑研究センター長。20年3月まで、拓殖大学海外事情研究所教授。著書に『人が死滅する中国汚染大陸 超複合汚染の恐怖』(経済界)、『2017年から始まる! 「砂上の中華帝国」大崩壊』(電波社)など。

中国共産党は7月15~18日、中国共産党第20期中央委員会第3回全体会議(「3中全会」)を開催した。その会議中に「習近平主席が倒れた」というニュースがネット上で広がり始めた(関連記事)。

中国国内を駆け巡る"噂"

北京のベトナム大使館に、グエン・フー・チョンベトナム共産党書記長への弔問で訪れた習主席らしき人物も(7月20日)、イタリアのメローニ首相と会談した人物も(7月29日)、影武者だった可能性は排除できない。元中国共産党幹部である杜文は、習主席の影武者の存在は党内では「公然の秘密」だと指摘している(*1)。

習主席について中国国内では現在、「脳卒中が悪化した」「肝硬変で手術を行った」などの噂が流れている。中南海で"クーデター"が起きたとも囁かれている。ただ、これらは未確認情報である。

一方、以下はすべて事実で、北京で"何か"が起きている証左であるだろう。

(*1)2024 年8月1日付『万維ビデオ』

共産党や御用メディアの"異変"

第1に、中国人民解放軍中部戦区司令官の黄銘が突如、北部戦区へ異動となった。そのため、中部戦区の司令官は"空位"となっている。つまり、現時点で北京を守るべき司令官が誰もいないことになる。

第2に、8月1日の「建軍記念日」前日、習主席の腹心で南部戦区の司令官である王秀斌が呉亜男へと交代した。目下、王は行方不明となっているという(*2)。

第3に、中国共産党外交部報道官室は、8月5日から16日まで全職員を休暇とし、8月19日から職務を再開させるという(*3)。大国においては常識的にあり得ない事態である。

(*2)2024年8月6日付『万維読者網』
(*3)2024年8月5日付『中国瞭望』