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アジア太平洋交流学会会長・目白大学大学院講師

澁谷 司

(しぶや・つかさ)1953年、東京生まれ。東京外国語大学中国語学科卒。東京外国語大学大学院「地域研究」研究科修了。関東学院大学、亜細亜大学、青山学院大学、東京外国語大学などで非常勤講師を歴任。2004年夏~05年夏にかけて台湾の明道管理学院(現・明道大学)で教鞭をとる。11年4月~14年3月まで拓殖大学海外事情研究所附属華僑研究センター長。20年3月まで、拓殖大学海外事情研究所教授。著書に『人が死滅する中国汚染大陸 超複合汚染の恐怖』(経済界)、『2017年から始まる! 「砂上の中華帝国」大崩壊』(電波社)など。

中国共産党は7月15日から18日までの日程で、中国共産党第20期中央委員会第3回全体会議(以下、「3中全会」)を開催した。

財政難を背景に定年引き上げへ

「3中全会」コミュニケでは、習近平政権は、中国共産党中央委員会の中央集権的・統一的指導を堅持し、「改革をさらに全面的に深化させる」必要があると改めて強調した(*1)。

また、北京は「質の高い発展」を世界第2位の経済大国の指針にすると誓った(*2)。ただ、習政権は今後も成長の鈍化を容認し、大規模な住宅市場救済を拒否している。内需を押し上げたり、住宅市場の下落を抑えたりするための主要な措置をとる兆候はほとんどない。

「3中全会」での具体的な決定事項だったのは「第46条」くらいかもしれない。自発性と柔軟性の原則に従い、法定退職年齢を徐々に遅らせる改革を推進することを提案している(*3)。

周知の如く、中央政府や地方政府は財政難に陥っている。そこで、定年年齢(男性60歳、女性幹部55歳、女性50歳)を引き上げ、できるだけ年金の支払いを先延ばししたいのだろう。2025年から2055年まで長い期間をかけて定年年齢を引き上げ、男女共に65歳定年を目指すという(*4)。

(*1)2024年7月18日付『中国瞭望』
(*2)2024年7月18日付『万維読者網』
(*3)2024年7月22日付『中国瞭望』
(*4)2024年7月22日付『中国瞭望』

会議終了間際の不自然な兆候の数々が話題に

さて、会議終了間際になると、習主席が会議中に脳卒中を起こしたというニュースが、突然、ネットで広がり始めた。