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トランプ氏が大統領退任後に、機密文書を違法に持ち出していたとして起訴された裁判で、米フロリダ州連邦地方裁判所の判事は15日、起訴を棄却しました。
《詳細》
今回の裁判はトランプ氏が抱える4つの刑事裁判の一つです。2021年の大統領退任後に国家安全保障に関わる機密文書を違法に持ち出し、自身の別荘「マール・ア・ラーゴ」に保管したとする疑惑で、不法保持や捜査妨害、虚偽の陳述などおよそ40件の罪に問われていました。
その中で、昨年末から「捜査を担当するジャック・スミス特別検察官の存在自体が、憲法に違反するのではないか」という議論が法律の専門家の間で生じていました。
そして、フロリダ州連邦裁のアイリーン・キャノン判事は15日、捜査を担当するジャック・スミス特別検察官の任命自体が憲法の「任命条項」に違反するとして、起訴状を却下しました。つまり、「スミス特別検察官の存在自体が違憲であるため、そもそも起訴をする権限を持たない」と判断したということになります。
スミス特別検察官は、ガーランド司法長官によって特別検察官に任命されています。しかしキャノン判事は、「司法長官が特別検察官を任命できる法律の規定は存在しない。スミス氏を特別検察官として起用するには、大統領の指名と議会の承認が必要であるが、同氏はその承認を受けていない」として、スミス氏に対して違憲判決を下しました。
その結果、スミス氏が行った捜査のため、司法省が支出した捜査費用にも、法的に問題があると指摘しています。
トランプ氏は今回の判決に対し、「裁判官がこの判決を下す勇気と知恵を持っていたことに感激している。これは今回の事件だけでなく他の事件にも大きな、大きな影響を及ぼす」と語ったとのことです(7月15日付米フォックス・ニュース)。SNSでも、この判決は「第一歩」であり、「司法制度の武器化を終わらせるために団結しよう」と呼びかけました。
スミス氏の事務所は、この判決に対して控訴すると発表しています。控訴すれば最終的に最高裁判所で審議されることになりますが、11月の大統領選挙までには行われないと見られています。
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