《ニュース》

バイデン政権はこのほど、未成年に対する性別適合手術に反対する声明を出しました。これはトランスジェンダーの権利を強く支持してきたバイデン大統領による、この問題におけるもっとも明確な声明だと、ニューヨーク・タイムズ紙(6月28日付電子版)が報じています。

《詳細》

この声明は、トランスジェンダーを公言している米保健福祉省の次官補レイチェル・レヴィン氏の事務所スタッフが、「トランスジェンダーの健康のための世界専門家協会(WPATH)」に対し、未成年者に対する治療ガイドラインから手術の年齢制限を削除するよう求めた、と報じたニューヨーク・タイムズ紙の記事に対し、バイデン政権が回答したものです。

2021年後半に発表されたWPATHのガイドラインの草案では、ホルモン治療の最低年齢は14歳、乳房の切除は15歳、豊胸または顔面手術は16歳、性器手術または子宮摘出は17歳に引き下げることを推奨していました。しかし2022年発表の最終ガイドラインでは、最低年齢要件は全面的に撤廃されていました。WPATHはこの変更により、「治療への不要な障壁が取り除かれた」と述べています。

保健福祉省の広報担当者は声明の中で、「レヴィン次官補は、性転換手術の年齢を引き下げる提案を公表することは、科学や研究に基づいておらず、トランスジェンダーに対する激しい攻撃につながる恐れがあるという見解をスタッフと共有した」と述べています。

バイデン政権は、トランスジェンダーの若者の性別適合治療を支持したり、パスポート所有者の性別を表わすために「X」の使用を認めたりするなど、トランスジェンダーの人々の権利を守ってきました。

しかし今回の声明は、LGBTQ団体を怒らせました。彼らは「バイデン政権はトランスジェンダーの若者に対する取り組みを放棄し、患者や医療関係者、保護者間でのみ行われるべき私的な医療上の決定に、政治は介入しないという約束を破った」などと非難しています。

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