菅直人首相の後継として、野田佳彦財務相の名前が浮上している。

9日付朝日新聞では、民主党の岡田克也幹事長、仙谷由人代表代行、枝野幸男官房長官らは野田氏を党代表選に擁立する方針を固めたと報じている。前原誠司前外相、枝野幸男官房長官、仙谷由人官房副長官、鹿野道彦農水相、玄葉光一郎国家戦略相、海江田万里経済産業相の名前を報じるメディアもある。

今のところ(9日20時現在)、野田財務相が最有力候補と言えるが、野田財務相が後継の首相になった場合、消費税を増税する可能性が高くなる。

政府税調の会長でもある野田財務相は、民主党を代表する増税派であり、「世界は震災復興と同時に、財政健全化にも注目している。震災で増税の必要性はむしろ高まった」などと発言している。

注目は、代表選で消費税の増税が争点となり、増税反対派の候補を擁立できるかどうかだ。先の参院選の時と違い、「震災復興のためには増税も仕方がない」という“空気”が醸成されており、増税が争点にならなければ、そのままなし崩しに消費税が上がってしまう可能性がある。

しかし、消費税は「悪魔の税制」と言われ(参照:高橋洋一著『この経済政策が日本を殺す』)、たとえ1%や2%の増税であっても消費を冷え込ませ、結果的に税収も増えない。従って復興財源にはなりえない。

「党内の調整がしやすい」という理由だけで、野田氏を後継を推すのは、この国難にあって無責任だと言えよう。(村)