《ニュース》

バイデン米大統領とトランプ前大統領の討論会の翌日にあたる28日、米連邦最高裁判所は、2021年1月6日に起きた米連邦議事堂乱入事件において、司法省が「公的な手続きの妨害(公務執行妨害)」を罪とする法律を根拠とすることを制限する判断を下しました。

この判断は、議事堂乱入に関与した被告らに有利になり、トランプ氏の裁判にも影響が及ぶ可能性があると、米メディアが報じています。

《詳細》

「公務執行妨害罪」の根拠となった法律(サーベンス・オスクリー法)は、2002年に米エネルギー商社「エンロン」の破綻を受けて、「証拠の改ざん、証人の脅迫、公的な手続きの妨害行為」を取り締まるために制定されたものです。

議事堂乱入事件に関連して、司法省は約250人を「公務執行妨害罪」に絡めて起訴しています。そのうちの一人の元ペンシルベニア州警察官ジョセフ・フィッシャー氏が、この罪で有罪判決を受けたことについて、「これまでは証拠改ざん事件にしか適用されていなかった」として異議を申し立て、訴訟を起こしていました。

連邦最高裁判事は6対3で、「公的な手続きを妨害した罪に問うには、被告が文書の改ざんや破棄を試みたことの証拠を含める必要がある。この法律は検察側が主張するほど広範囲に適用されるものではない」と結論づけました。そして罪が適用されるとした下級裁判所の判断を覆し、改めて審理するよう命じています。

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