《ニュース》

著書『China 2049』で知られる著名な中国問題専門家の米政治学者マイケル・ピルズベリー氏がこのほど、「米中両政府は昔から秘密裏に協力してきた」と語り、米中は並々ならぬ関係だった背景について言及しました。

《詳細》

日本のシンクタンク「国家基本問題研究所」が3日に開催したシンポジウムで、ピルズベリー氏は基調演説を行い、これまでのアメリカの対中政策を概観しました。

氏によると、「現在の米中関係の本質は両国が秘密裏に行ってきた協力の深さを知らないと理解できない」といいます。米中協力について、アメリカ政府の基本政策は「日本には教えないことだった」「イギリスや北大西洋条約機構(NATO)にも同様だった」と語りました。そして、中国を現在のような大国にしてしまったのはアメリカの政策があったからであり、その陰にはインテリジェンスの失敗や中国に対する「思い込み」などがあったと指摘します。

氏は今年3月に共同で発表した論文("Winning the New Cold War: A Plan for Countering China")の中でも、「レーガン米政権時にジョン・レーマン海軍長官が当時の先進技術を使用した魚雷MK46を中国潜水艦に装備させた」「ある米国務長官が、中国にアメリカの核の傘を提案したこともある」など、アメリカの中国支援策の実例をいくつか紹介しています。

また同論文では、アメリカは中国支援という時代遅れの戦略にしがみついており、そうでなければ、新型コロナをめぐる武漢ウィルス研究所での「機能獲得」研究に対する資金提供は説明がつかない、とも指摘しています(機能獲得研究とは、ウィルスを遺伝子操作して、機能を増強したり付加したりすることで、ウィルスがどう変異して感染力が高まるかを研究すること)。

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