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リベラル系人権団体「アメリカ自由人権協会(ACLU)」がこのほど、トランプ前大統領の言論の自由を奪う裁判所の命令は憲法違反と主張し、CNNなどが大きく報じました。
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ACLUは25日、2021年1月6日に起きた連邦議会議事堂襲撃事件に関するトランプ氏への裁判所のかん口令は違憲だと主張し、トランプ氏を支持する法廷助言書(被告のために法廷助言者が裁判所に提出する意見陳述書)を提出しました。
議事堂襲撃事件の裁判を担当するワシントン連邦地裁のタニヤ・チュトカン判事は10月16日、「トランプ氏は刑事事件の被告であり、何でも好きなことを言う権利はない」として、トランプ氏に対しこの事件について発言できることを制限する部分的かん口令を発令しました。捜査を指揮したジャック・スミス特別検察官や法廷関係者、証人などを直接標的にする発言をすることを禁止しています。
「批判を禁止される政治家は私くらいだろう。かん口令は違憲だ」と訴えるトランプ氏は17日、かん口令に対して上訴。チュトカン氏は20日、当事者に説明する時間を確保するためにかん口令を一時停止しました。
こうした状況の中、ACLUは法廷助言書で「裁判所の命令は、2024年大統領選における共和党最有力候補の米合衆国憲法修正第一条の権利(言論の自由)を侵害している」と指摘しています。
ACLUは、トランプ氏の発言の多くが「明らかに虚偽であり、共和国(アメリカ)そのものだけでなく、無数の個人に多大な損害を与えた」としつつも、トランプ氏は「合衆国憲法修正第一条に従って発言する権利を有しており、残りの我々も彼の発言を聞く権利を保持している」と主張しました。
トランプ氏は、詐欺罪疑惑の民事訴訟を担当するニューヨーク州の裁判所の判事からもかん口令を出されており、かん口令を破ったとして、すでに約225万円の罰金が科されています(関連記事:「トランプ氏、金融詐欺があったとするNY州裁判所の認定を激しく非難」 )。
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