29日付各紙が伝えている通り、エジプトは28日、パレスチナ自治区ガザ地区とエジプトの境界にあるラファ検問所の通行規制を大幅に緩和した。

ガザ地区は東西10キロ、南北40キロ程度の細長い土地で、アラブ人を中心とする約140万人が暮らしている。ガザの周囲の大部分は、パレスチナと対立しているイスラエルと境界を接しており、イスラエル側が管理している検問所が数箇所あり、事実上イスラエルによって封鎖されている。ガザ南端部分だけがエジプトに接し、そこにあるのが今回開放されたラファ検問所だ。これまでエジプト政府は、ラファ検問所において入国許可を与えるガザ市民を病人らに限定し、事前申請制度を設けていたが、今回の緩和で事前申請が必要なのは18~40歳の男性に限った。

ムバラク政権時代のエジプトは親米・イスラエル寄りだったが、今月上旬、パレスチナ内で勢力を二分していたファタハとハマスがエジプトの仲介で和解に合意し、エジプトとパレスチナというイスラム教徒同士の結びつきが強まった。今回の検問緩和は、エジプトがさらにパレスチナ寄りに政策転換したことを意味する。要するにアラブ側の結束が強まり、「アラブvs.イスラエル」の対立図式が一層鮮明になったわけだ。イスラエルは今回の緩和がガザへの武装勢力や武器の流入につながるとして警戒を強めている。

幸福の科学の大川隆法総裁は今年2月中旬の時点で、「エジプトの親米政権が倒れたことで、イラン、エジプト、サウジによるイスラエル包囲殲滅戦が起きる可能性が高まった」と述べた。エジプトが対イスラエルの姿勢を強めた今回のラファ開放も、流れとしてはその方向にある。そしてイスラエルとアラブの対立の根本には、大川総裁が著書『救世の法』で明かしている通り、霊界にいるイスラムの開祖ムハンマドの「混乱のもとであるイスラエルを地上から消したい」との考えがある。

国内各紙は、イスラエルとアラブの対立の根本がユダヤ教とイスラム教の対立であることに一言も触れていないが、日本人は宗教対立の現実を正しく理解し、宗教間の和解と寛容に向けてできることを模索すべきである。(司)

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