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総務省がこのほど発表した2022年度の家計調査によると、2人以上の勤労者世帯における社会保険料や税金などの「非消費支出」が、20年間で1.4倍に増えていることが分かりました。

《詳細》

「非消費支出」とは、所得税、法人税などの直接税や社会保険料といった、世帯の自由にはならない支出のことです。実収入からこの非消費支出を引いた額を「可処分所得」といい、いわゆる手取り収入を表します。

2022年度の家計調査によると、2人以上の勤労者世帯の実収入が月約62万円、可処分所得は月約50万円、非消費支出は月約12万円でした。10日付日本経済新聞によると、20年前と比べて実収入の増加分は16%、可処分所得は12%ですが、非消費支出はこれらを大きく上回って40%も増えているといいます。

そのうち、税に比べて増加が注目されにくい社会保険料も、20年間で1.4倍の6.8万円になっています。国民年金の保険料は3000円以上も増額しています。厚生年金や健康保険の保険料率も軒並み増えています。

その結果、国民負担率(国民所得に対する税金と社会保障負担の合計額の割合)は、20年間で12.5%増加しています。

一方、調査の結果、日常の生活を営むに当たって必要な生活費である「消費支出」は、月約32万円でした。収入や可処分所得が増えているにもかかわらず、消費支出は20年前と比較すると2%減っています。税と社会保険料の負担が増したことにより、自由に使える可処分所得が圧迫され、消費は進んでいないことがうかがえます。

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