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ジェンダー(男女)平等を推進し、男女共用の部屋を提供しているノルウェー軍内で、女性に対するセクシュアルハラスメント被害が相次いでいると、ノルウェーメディアがこのほど報じています。

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男女平等で世界一と評されるノルウェーは、軍隊においても、男女共用の部屋を提供すれば、互いの寛容さや仲間意識を高めることができ、セクハラを減らせるという考えを堅持してきました。

そんな中、ノルウェー北部のバルドゥフォスにある施設で、基礎訓練に従事していたある女性兵士が、同僚の男性兵士から屈辱的な言葉を浴びせられたり、懇親会でレイプ被害を受けたりしたといいます。ところが警察は、彼女の訴えを真剣に聞き入れることはなく、彼女は公共放送NRKのニュース番組でこの事実を公表し、事件が発覚。軍は対応に乗り出さざるを得なくなっています。

徴兵され、被害を受けた別の若い女性は、「まるで男たちが狩りに出ているようだった」と語っています。軍は長年、セクハラや暴行を「ゼロトレランス(容赦しない)方式で対応する」と主張してきましたが、複数の女性によると、基礎訓練は女性にとって安全ではないようです。ノルウェー防衛技術研究機構が昨年発表した調査によれば、40歳未満の女性の30%がセクハラ被害を受けたと報告しています。

また、NRKによると、少なくとも17人の将官クラスがセクハラの加害者として告発されているものの、その多くが処分を逃れているといいます。階級が高ければ、処分されにくいという土壌もあると問題視されています。

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