《ニュース》

情報漏洩の危険性が繰り返し指摘されてきた中国製のスマートフォンを巡り、英大学の研究者らがこのほど、その手法に関する新たな調査結果を発表しました。

《詳細》

英名門エディンバラ大学と、アイルランドの名門トリニティ・カレッジ(ダブリン大学)の研究者が共同で調査を行い、「アンドロイドOSのプライバシーを調査する──東洋からの話」と題して発表しました。

同調査は中国のスマホ大手、OnePlus(ワンプラス、OPPOの子会社)、Xiaomi(シャオミ)、Realme(レルム、OPPOの兄弟会社)3社による、アンドロイド(オープンソース)を搭載した携帯端末を分析。アンドロイドとは米Google(グーグル)が開発したオペレーティングシステムで、世界各国で広く活用されています。政府によるインターネット検閲が行われている中国では、オープンソース版のアンドロイドに各社がアプリ群を追加した上で端末に搭載しています。

研究者が3社の端末を分析したところ、「中国版Google」と呼ばれる検索サイト百度(バイドゥ)や、音声認識技術iFLYTEK(アイフライテック)など、各端末メーカーとは関係のない30以上のソフトウェアが、あらかじめスマホにインストールされており、ユーザーへの通知も行われないまま、「懸念される量の個人を特定できるデータが、端末メーカーのみならず、バイドゥなど中国の通信事業社に送られていた」ことが判明したとのことです。

例えば、製造番号などの端末情報に始まり、端末の位置、電話番号やアプリの利用パターン、さらには電話やショートメッセージを送受信した履歴、連絡先の電話番号などまで、大量の情報が送られていたといいます。

一連の情報収集は、端末のみを利用して通信サービスは他社のものを利用した場合(SIMフリー)であっても、同様に起きていたとのこと。また、端末が中国国外で使われている間にも情報収集が行われており、中国人旅行者や中国人留学生が、海外でどのような人々と連絡を取ったかまで追跡することができると指摘されています。

Googleにとって世界最大の"アンドロイド市場"と呼べる中国が、依然として深刻な国民監視の問題を抱えていることを受け、今回の研究は警鐘を鳴らしています。

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