《ニュース》
米司法省が24日、反トラスト法(独占禁止法)の疑いでグーグルを提訴しました。
同省によるグーグル提訴は、2020年10月に続いて2回目。この度は、グーグル本社があるカリフォルニア州やニューヨーク州など8州も参加し、バージニア州東部地区連邦地裁に提訴した形です。
《詳細》
司法省は、グーグルが企業買収を繰り返すことで、ネット広告事業において過度に優先的な地位を得、その上で広告市場を多方面から支配して他社の参入を妨害するなど、反競争的手口を行ってきたと問題視。広告事業の一部割譲などを求めています。
ガーランド司法長官は24日の記者会見で、次のように語っています。
「グーグルは15年間にわたり、一連の反競争的行為を続け、それによって競合技術の台頭を阻止してきた。オークションの仕組みを操作して自社を競争から隔離し、広告主などに自社ツールを使用させるという非競争的行為を続けてきた」
「グーグルは排他的行為に従事し、デジタル広告業界における競争を破壊とまではいかないにせよ、ひどく弱体化させてきた」
提訴に先立ちバイデン大統領は12日、米ウォール・ストリート・ジャーナル紙に寄稿し、巨大IT企業の職権濫用に対して超党派で立ち向かうことを呼びかけました。
しかし、イーロン・マスク氏が明らかにした一連の内部文書「ツイッター・ファイル」など数々の証拠により、バイデン政権(選挙チーム)が巨大IT企業と密接に連携し、選挙チームや政権にとって都合の悪い言論を封殺してきたことが示されています。
ミズーリ州やルイジアナ州の司法長官は昨年、巨大IT企業への圧力・共謀による言論検閲を巡り、バイデン政権を相手取った訴訟を起こしました(新たに就任したミズーリ州司法長官も徹底して言論検閲と戦うことを表明)。
こうした状況でのバイデン氏による寄稿に対し、インターネット上では、次のような米国民の声も上がっています。
「ツイッター・ファイルが明かされた直後に、バイデン大統領が政府によるビッグ・テック(巨大IT企業)支配を推し進めるというのは、果たして偶然の一致でしょうか」
「これが、民主党による同盟相手への扱い方だ。IT企業はジョー(バイデン氏)が選挙に勝つのを手助けするため、言われたことをやった。(中略)民主党は、彼らが権力と自分たちのことしか気にかけていないということを、再び示している!」
共和党上院議員のテッド・クルーズ氏もツイッターで前述の寄稿に言及する際、バイデン政権が反対意見を黙らせるために巨大IT企業と協力関係にあったという構図を改めて指摘し、皮肉を滲ませています。
バイデン氏はグーグル提訴を自身の"手柄"としたい考えでしょうが、米保守派などから冷ややかな眼差しを受けています。
《どう見るか》