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「パリ条約」で各国が掲げた気温目標が達成されたとしても、21世紀末までに世界の約半分の氷河が消失するという研究結果が、科学雑誌「サイエンス」にこのほど掲載され、波紋を呼んでいます。

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米カーネギーメロン大学などの研究チームは、新たな衛星データを用いて過去数年間における世界中の氷河の変化を観察。それをスーパーコンピューターに組み込んでモデルを作成し、「地球温暖化」によるさまざまなパターンの気温上昇幅に対して、シミュレーションを行いました。

その結果、2015年のパリ協定で各国が努力目標として掲げたように、気温上昇を「1.5度」に抑えたとしても、「今世紀末には氷河の質量は2015年と比較して26%減少し、氷河の数は49%失われる」との結果が出ています。その結果、海水面は90ミリ上昇するといいます。

また、気温上昇を「4度」と仮定すると、氷河の83%が消失し、海水面は約15センチ上昇するとの予測結果が出ています。

研究結果に対して、論文の筆頭執筆者を務めた米カーネギーメロン大学の氷河学者・デービッド・ラウンス氏は「少しでも気温の変動を抑えられれば、それが非常に大きな影響を及ぼす可能性もある」と述べていると報じられています。

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