《ニュース》
11月8日に米中間選挙を控える中、一時は微回復した米バイデン大統領の支持率が、再び4割を切っています。
25日に公開されたロイター/イプソスの世論調査によると、支持率は39%まで低下し、5~6月に記録した就任以来最低の36%に近づいた形です。
《詳細》
バイデン氏は中間選挙に向けた対策として、学生ローンの免除や、非常用の戦略的石油備蓄(SPR)の追加放出、「人工妊娠中絶」の支持などを行ってきましたが、いずれも支持率の回復にはつながっていないことがうかがえます。
本欄で報じてきたように、バイデン氏の不人気ぶりは民主党陣営も距離を取るほど。中間選挙に向けた候補者の応援演説にも、妻のジル夫人は歓迎される一方、バイデン氏は遠巻きにされており、ニューヨーク・タイムズ紙や英タイムズ紙などが、その様子を報じています。
そうした中バイデン氏は21日、MSNBCテレビのインタビューに対し、2024年の大統領選に「再び出馬するつもりだ」と、2期目を目指す姿勢を改めて明示しました。民主党陣営としては、求心力のない政権下で、いかに国民の支持を集めるかが課題だと言えます。
一方で、バイデン氏を"お荷物"扱いする民主党陣営も、有権者との乖離が明らかになっています。
ハーバード大学米国政治研究センター(CAPS)と調査会社ハリス・ポールが10月12~13日にかけておこなった世論調査によると、「アメリカが直面している最も重要な争点」として、「物価高騰・インフレ」と答えた回答者が37%で最多。次点が「経済と雇用」(29%)、3位が「移民」(23%)でした。
一方で、「民主党指導者が最も懸念している論点は何か」という質問に対する回答は、上位から、「1月6日の議会襲撃事件」(27%)、「女性の権利」(25%)、「環境・気候変動」(23%)。「共和党指導者が最も懸念している論点は何か」に対する回答は、上位から「移民」(37%)、「物価高騰・インフレ」(24%)、「経済と雇用」(21%)となっています。
民主党は最重要の争点に十分な注意を払っておらず、少なくとも共和党の方が課題として認識していると、有権者が考えていることがうかがえます。
ニューヨーク・タイムズ紙による世論調査でも、経済悪化を背景に無党派層が共和党に傾いていることが判明しており(10月17日付同紙)、民主党陣営は厳しい戦いを迫られています。
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