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石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどで構成される「OPECプラス」が石油の減産を決めたことをめぐり、ブリンケン米国務長官は13日(現地時間)、OPECの盟主であり、米同盟国でもあるサウジアラビアに対抗措置を検討していると明らかにしました。
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OPECプラスは5日に、世界経済の減速を考慮し、石油の生産量を1日当たり200万バレル減らすことを決めました。
これを受け米ホワイトハウスのジャンピエール報道官は、「特にOPECプラスの決定を受けて、サウジアラビアとの関係を見直す必要があります」「ロシアと連携していることは明らかだ。今はロシアと連携すべき時ではない」などと語り、減産はロシアを利すると批判。ブリンケン国務長官は「目先のことしか考えていない」と指弾し、政府として減産の決定は受け入れられないという姿勢を改めて鮮明にしました。
米各紙の報道によると、米政府は事前に、サウジなどの石油主要国に対して、減産の決定を1カ月先送りするように求めていました。しかしサウジなどは、1カ月先の米中間選挙の前に、ガソリン価格の高止まりを避けたいバイデン政権の思惑であると判断して、要請を拒否。むしろ、減産を承認するようOPEC加盟国に根回ししました。
アメリカの反発に対し、サウジは13日に、「減産の決定は、市場を考慮して決められたものだ。国際紛争のどちらかの側についているとか、決定においてアメリカに対する政治的な動機があったという事実はない」とする声明を発表しました。
米議員からは、中東の重要な同盟国であるサウジへの武器売却の打ち切りなどの対抗措置を求める声が上がっています。
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