《ニュース》
スマートフォンの決済アプリや電子マネーなどの「デジタルマネー」による給与振り込みが、2023年春にも解禁される見通しです。
《詳細》
企業が銀行口座を介さず、デジタルマネーで直接給料を振り込むことについては、数年前から実現化に向けて議論や調整が進められてきました。13日、厚生労働相の諮問機関である労働政策委員会の分科会で、制度案が示されました。
賃金の支払い方法は原則、「現金」と労働基準法で定められていますが、例外として銀行口座などへの振り込みが認められており、そこにデジタル口座も加わる形です。
デジタル口座を運用する「資金移動業者」のうち、一定の条件を満たして厚労相の指定を受けた業者が、賃金の支払先になります。スマートフォン決済会社の「PayPay」や楽天グループの「楽天ペイ」は、デジタル給与受け取りサービスへの参入を検討していると明らかにしています。
指定要件は具体的に、資金移動業者の債務履行が困難となった時に労働者に対する債務を速やかに保証できる仕組みがあることや、デジタル給与をATMなどにより1円単位で引き出せること、月1度は手数料なくATMで受け取れるサービスの設定などが求められます。デジタル給与の口座残高の上限は100万円で、超える分は銀行口座などに振り込むとしています。
また企業が労働者の意に反してデジタル払いをすることを防ぐため、「使用者が労働者に強制しないこと」を前提に認めるとしています。
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