《ニュース》
多くの企業が参入している仮想空間「メタバース」について、米ランド研究所がこのほど、メタバースが誤情報を拡散する懸念を示した記事を公表しました。
《詳細》
記事を寄稿したのが、米国防高等研究計画局(DARPA)のプログラム・マネージャーを歴任し、ロッキード・マーティン先端技術研究所などに勤めたランド・ウォルツマン氏です。
同記事では、近い将来に十分起こり得るシナリオとして、ある選挙候補者の顔が、何百万人の視聴者一人ひとりに合わせて微妙に画像加工され、好感度を上げるというツールが導入されるという可能性が指摘されています。
ウォルツマン氏は「あらゆる欺瞞の核心は、感情操作である。Facebook(現在のMeta)のメタバースのようなバーチャル・リアリティ(仮想現実)環境は、今日のメディアでは想像もつかないレベルで、ユーザーの心理的・感情的操作を可能にするだろう」と指摘します。
すでにフェイスブックなどのSNSでは、ユーザーの趣味嗜好等に合わせたニュースが表示され、特定の候補者に有利になるという出来事が発生。それだけでなく、フェイスブックが候補者の言論を制限するなど、SNSが民主主義に強い影響を与える問題が浮上しています。そのためメタバースにおいても、誤情報が拡散されるといった同じ過ちを繰り返さないよう、適切なガードレール(ルール)を設ける必要があると、ウォルツマン氏は提起します。
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