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ウクライナのゼレンスキー大統領夫人が訪米し、20日に米議会での演説を控える一方、米国内では、バイデン大統領が掲げる落としどころの見えないウクライナ支援に、批判の声が多数出ています。

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米国防総省の諜報機関・国防情報局(DIA)で対露戦シミュレーションをけん引するなどの経歴を持つレベッカ・コフラー氏は19日、米ニューズウィーク誌に「バイデンの無謀さがウクライナを第二のアフガニスタンに変えようとしている」と題した記事を寄稿しました。

コフラー氏は、ロシア―ウクライナ紛争開始から5カ月足らずで、アメリカはすでに80億ドル(約1兆1千億円)を支援に投じており、これはアフガニスタン作戦における最初の5年間より多い額だと指摘。

米政治家や大手メディアが描写するウクライナ像とは違って、実際のウクライナは腐敗した国家であり、アフガンと同様、民主主義国家として成熟していないという前提に言及すると共に、アメリカによる民主化促進運動は世界中で失敗を重ねてきたと述べています。

その上で、バイデン氏はウクライナがロシアに勝つまで支援を続けると公表しながら、バイデン政権は今なお、「何をもって勝利とするか」を国民に示しておらず、アフガンと同じように目標が不明確のまま動き続けていると批判しました。

一方でウクライナのゼレンスキー大統領は、全領土の奪還を達成した時に勝利を宣言すると述べているが、ロシアの圧倒的な軍事的優位性を考慮すると、アメリカの支援をもってしても非現実的だと指摘し、次のように結んでいます。

「大統領は今、この破滅的な作戦を再考する機会を得ている。間違いなく考え直すべきだ」

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